「八海山」はこんなにスゴイ! ベストセラー作家・MBの「魚沼の里」探検記【後編】

 さて連載第2回目でございます。【前編】でご紹介した、八海醸造が運営する「魚沼の里」について、さらに詳しく紹介していきましょう。

「魚沼の里」

施設一覧
「魚沼の里」施設一覧(「魚沼の里」公式サイトより)

 こちらは「魚沼の里」の全体図(※1)。見ての通り、多くの店舗や施設が連なっています。この記事で全てを紹介しきれないほど充実した施設なので、私が個人的に気になったところをピックアップしてまいりますね。

※1: 「魚沼の里」公式サイト <http://www.uonuma-no-sato.jp/facility/

八海山雪室
八海山雪室

 こちらは八海山雪室。「雪室」とはつまり、雪の貯蔵庫のこと。冬の間に積もった雪を屋内に溜め込み(その量なんと1000トン!)、日本酒を長期間保存・熟成させる施設です。昔、電気を使わずに氷を入れて食品を冷やす冷蔵庫がありましたが(若い人はピンとこないと思いますが)、それと同じように、雪の力を利用した天然の冷蔵庫といったところでしょうか。巨大な部屋の中に日本酒のタンクがあり、そのすぐ隣に雪の山があるのです。

雪室内
雪室内、雪の山

 私の背丈の数倍……、いやいやゴジラかガンダムかくらいの高さでしょうか。巨大な雪の塊が屋内にある光景は圧巻。それでもこの時は、雪がだいぶ少なくなっていたそうです。雪を搬入したばかりの初期状態はもっと凄い量とのこと。

雪室の表示板
雪室の表示板

 「雪を入れておくだけで本当に寒くなるの?」と思う方もいるでしょう。私も同じように疑問でしたが、中に入るとかなり寒い。この日は外も大雪かつ極寒でしたが、中に入るとさらにヒヤッとした冷たい空気を感じました。この貯蔵庫内は基本的に冷暖房の使用がなく、純粋に雪の冷たさだけで温度管理をしているそう。

雪室の設備
雪室の設備

 お酒の貯蔵庫をはじめ、施設内は近代的なデザインですが、構造は極めてアナログ。昔ながらの手法でお酒を貯蔵・熟成しているわけです。またこの雪室で熟成させたお酒はまろやかな味わいになるのだそう。

雪室に併設されている店舗
雪室に併設されている店舗

雪室貯蔵三年
雪室で貯蔵された「純米吟醸 八海山 雪室貯蔵三年」

 雪室には、お酒や雑貨などを販売しているお店が併設されています。こちらで、雪室で貯蔵されたお酒を購入しました。自宅に戻ってから、同じ「八海山」の純米吟醸などと飲み比べてみましたが、個人的にはこの雪室貯蔵のお酒が一番飲みやすく、おいしかったです。私はお酒の味に特別詳しいわけではありませんが、確かに違いはわかりました。

 ちなみに、雪室ではお酒だけでなく野菜なども貯蔵しています。低温糖化により甘みが増すそうです。自然の力は恐るべし。

焼酎貯蔵庫
焼酎貯蔵庫

 また、雪室の施設内には焼酎貯蔵庫もあります。こちらではお客様から預かった焼酎を熟成させ、時期が来たらお客様の元にお届けするそうです。何かの記念として使われる方が多いようで、数年後の自分や家族に向けて、ボトルへメッセージを書いたものが印象的でした。熟成酒は時の経過を利用して造られます。タイムカプセルのような使い方をするのも趣があります。

猿倉山ビール醸造所
猿倉山ビール醸造所

飲み比べセット
クラフトビール飲み比べセット

 場所を変えまして、こちらは猿倉山ビール醸造所。こちらでは、できたてのクラフトビールを楽しめます。複数のクラフトビールを飲み比べできるセットも用意されていますし、もちろんツマミも。魚沼に拠点を置く「内山肉店」の「雪ひかりポーク」を使ったホットドッグや、魚沼の特産「八色しいたけ」を使ったバター醤油焼きなどを楽しめます。

ハスキージェラート
ハスキージェラート(猿倉山ビール醸造所内)

旬な果物や野菜で作られたハスキージェラート
旬な果物や野菜で作られたハスキージェラート

 前編でも書きましたが、私は新潟県出身。実はこちらのビール醸造所には、私の知人が携わっています。地元は狭いです。彼が運営する「ハスキージェラート(※2)」は都内で大人気。東京では、吉祥寺や戸越などに店舗を構えています。「バニラ」などのよくあるフレーバーではなく、紀州梅や焼き芋、かぼちゃなど、ジェラートとしては聞き慣れない食材を使ったメニューが並びます。各地の農産物をジェラートにして提供するのがこのお店の特徴。他のお店では味わえないような複雑な味が楽しめます。たとえば甘酒と紀州梅を使った「あまさけ紀州梅」風味のジェラート。「あまさけ紀州梅」と言われても、多くの方は味の想像もつかないでしょうが、甘酒の甘さをベースとしつつもわずかに酸っぱさを感じるような、深みのある味わいです。甘味料や香料だけで作られているような単純かつ人工的なものではありません。「魚沼の里」に来たらぜひご賞味ください。冬場は寒いけれど、お店の中は暖房が効いていてしっかり暖かいので凍えることもありませんよ。

※2: Husky Gelato(ハスキージェラート)公式サイト http://huskygelato.com/

インスタ映えする
インスタ映えする!? 雪深い「魚沼の里」

 さてすっかり長くなってしまいました。「魚沼の里」と八海醸造のご紹介を2回にわたってお届けしました。地元びいきな部分が無いよう、ライターとしてあくまで公平な視点を持って体験しましたが……、本当に良い施設です。とりわけ都市生活者や海外の方にとってみると、この雪深い魚沼の地は別世界。背丈ほどある深雪に感動する方も多いはずです。

 本来「雪」は天災ともいえます。凍えるような雪の辛さは、魚沼の人ならば身をもって感じているはず。冬になれば除雪も必要です。除雪作業で命を落とされる方も毎年いらっしゃいます。しかし魚沼の人たちは、歴史の中で天災である雪と「いかにして付き合っていくか」を考えてきたのです。本来ネガティブである雪を使い、野菜やお酒を貯蔵する手段として雪室を開発しました。「魚沼の里」も独創性あふれる施設だけでなく、この雪深い世界観があってこそ引き立つものです。ネガティブなものをポジティブなものとして捉える魚沼の人たちの工夫や強さを、今回感じることが出来ました。

雪室へ続く小道
雪室へ続く小道

 深雪が続く魚沼では「インスタ映え」する場所もいくつかありました。新幹線の駅からもそう遠くない「魚沼の里」。都内からのアクセスも不便ではありません。ぜひ一度遊びにきてください。

ひょうたん瓶
お土産にぴったり。手のひらサイズの「八海山 ひょうたん瓶」シリーズ

 帰りにはお土産として、「八海山」のお酒を大量に買い込んでしまいました(この連載のギャラがなくなるくらい大量に)。次回は素人ながら飲み比べなどをしてレポートしていきたいと考えています。ぜひご期待ください。

撮影:細野透子(わん酒・プロデューサー)

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